この傾聴あってる?〜不登校の子どもの話を聴くだけで本当に動き出すの?否定されず話すことで得られる4つのこと〜

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子どもが学校と距離を取り、なんとか解決策をと必死で調べると「傾聴」の言葉に出会います。悩みを聴いて寄り添いたい。少しでもアドバイスしたい!そう受け止める気で話を聴いてもなかなかうまくいかなかったりしますよね。そんな「不登校」と「傾聴」についてお伝えしたいと思います。

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「傾聴」の意味ではなく大事さを知ろう

「傾聴」とは相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴くこと。

否定せず、理解しようとして答えを出さずうんうんと全て黙って聴くこと・・親の立場からすると聴くだけって難しいですよね。黙って聴くけれどその後、子どもにはついアドバイスや経験を話して、「だから大丈夫」と励ましたくなってしまいますよね。そこで学校と距離をとっているご家庭では、傾聴の意味ではなく傾聴の大事さを知ることが大事になってきます。

目の前にいる我が子は「不登校」です。不登校になるには一人一人理由が違いますが、そのことによって「コミュニケーション」を取ることが怖くなっていたり、コミュニケーションをとることを望まない状態になっています。そこには学校生活の息苦しさや友達からの批判、先生の圧などで心が疲れコミュニケーションを取ることに拒否反応を示し、うまく立ち振る舞えず、コミュニケーションの電源をOFFにしてしまっています。

OFF状態の子どもにどんなに今後の人生で大切なこと(アドバイスや正論)を伝えても電源OFFでは届きません。まずコミュニケーションの電源をONにしてみようかなという心に持っていくこと。不登校の子どもとの話は通常のお悩み相談とは全く違い「アドバイス」は電源をOFFにした子どもには否定されているように感じてしまう場合があるからです。そのため傾聴が重要となってきます。

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コミュニケーションの電源をONにするには

ズバリ「受け入れられる体験」です。お子さまと話をしていると「もう嫌だ!なんにもやりたくない!」という時があります。「わからない」と答える心のことは下記記事を読んでみてくださいね。

「もう嫌だ!」そう子どもが言った時、静かに話を聞き、否定せず、受け入れ、優しく「わかったよ。もうなにもしなくていいよ」や「ほんの少しできることからやっていこうね」「元気が出るように生活のリズムを見直していこうか」と伝え、一見傾聴成功のように思えても子どもは

  • じゃあどうするんだよ!無責任だなぁ
  • それができたら苦労してないよ
  • そんな簡単な問題じゃないんだよ

と思ってしまいます。これが不登校になった子どもとの話や相談は通常のお悩み相談とは違うという部分です。 どんなにあたたかい寛容な言葉でも親の想いは届かずに終わってしまいます。ではどの様に聴くことが「コミュニケーションの電源をON」にすることに繋がっていくのでしょう。

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話すことで得られる4つのこと

「アドバイスをしたくなる心」や「世の中そんなに甘くない」と本当のことを伝えたくなる気持ちをグッとこらえて黙って子どもの話を聴くことにどんな効果があるのか、それがどうコミュニケーションの電源をONにすることに繋がるのでしょう?

●心の治癒

相談者は、遮られず、話すことで自分の心のなかでごちゃとしていたことの時系列の整理ができていきます。分かってもらえるように整理しながら話すことを繰り返すことで、自分の中で問題点が明確になったり、改善点がみえてきて、自分自身が成長することにつながります。また自分がなにに苦しんでいるのかわかることで、そのために必要なことが自分でわかってきます。否定されず助言されず話を聴いてもらえることで、心の治癒にもつながります。

●ストレス解消

話すことは放すこと、そして離すこと。話すことで心にたまっていたものが身体の外に出ていく感覚になります。そこで涙を流すことは浄化となり、ストレス物質が体外にでていきます。泣いて話すことでスッとする経験私にもあります^^

●自分を客観視できる

人に自分のことを話すために、より分かってもらえるように、自分を観察したり考えを整理したり記憶を辿ったりします。その行為で、自分から見た世界から人から見た世界へと客観的に認識することにつながります。客観視しながら自分に起きていることを整理していきます

●心の解放

一人で思い悩んでいると、頭の中だけで悪い方向にばかり考えが進んでいきます。話すことで孤独や重圧から解放され、一人では気付けなかったこと、自分のこだわりや思い違いに気付いて気持ちが楽になります。


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傾聴が大事なわけ

時と場合によりますが、「正解を伝えること」が適していない場合もあるということ。です。ただ答えを先に伝えること(アドバイスとすること)で「子どもの自己成長」や「子どもの自己治癒」の機会を奪うことになります。「先に答えを出さず聴き続けること」の大事さはここにあります。

親はアドバイスの達人です。長く生きている分こうすればいいという最短の成功方法も知っています。ですが「傾聴」はおしゃべりとは違います。アドバイスや成功方法を伝える技法ではありません。

「傾聴」とはコミュニケーションの電源をオンにするために「人と話すことは怖くないんだよ」「悩みを打ちあけても怒られないんだよ」「わからないことがあってもいいんだよ」などと分かってもらうための時間です。子どもは話しながら自己成長もしていきます。

話を遮らず最後まで聴くのってとても大変で・・我慢が必要な場面もでてきます。私はここまで書いておきながらまだまだ途中で口を挟むことがあり^^;完璧な親になるのは難しいですが、それでも子どもを想う気持ちがあってのこと。うまくいかなかった日は、好きな映画に入り込み自分を責めない時間を敢えて持つようにしています。みなさんのリラックス方法はなんですか?

461個のおべんとう
長年連れ添っていた妻と別れることを決意した鈴本一樹(井ノ原快彦)。父を選んでくれた息子・虹輝(道枝駿佑)が15歳と多感な時期を迎えていた時期の離婚なだけに、罪悪感を抱いていた。そんな時、重なるようにして虹輝が高校受験に失敗してしまう。好きな音楽で生計を立てている一樹は、虹輝に対し“学校だけがすべてではない。好きなように...

長年連れ添っていた妻と別れることを決意した鈴本一樹(井ノ原快彦)。父を選んでくれた息子・虹輝(道枝駿佑)が15歳と多感な時期を迎えていた時期の離婚なだけに、罪悪感を抱いていた。そんな時、重なるようにして虹輝が高校受験に失敗してしまう。好きな音楽で生計を立てている一樹は、虹輝に対し“学校だけがすべてではない。好きなように育ってくれたらそれでいい”と考えていた。しかし、虹輝の出した答えは「高校へ行きたい」だった。翌年の春、見事に高校に合格した虹輝に、一樹は高校でのお昼ご飯はどうしたいか訊く。「父さんのお弁当がいい」という返答に笑みがこぼれる。この瞬間「3年間、毎日お弁当を作る!」「3年間、休まず学校へ行く」という“大切な約束”が生まれたのだった。 (C) 2020「461個のおべんとう」製作委員会

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普段からできること

傾聴には時間も我慢も必要です。他の家族のお世話の時間もあるので時間の確保ができなかったり、時間をとっても子ども自身が「話そうとしない」場合もあります。

だからうちは前にすすまない。話ができないから困っている・・と焦りがちですが、「傾聴」そのものもすぐに効果がでるわけではないので今日できなくても焦らなくて大丈夫です。話ができないときは「アドバイスしないこと」の練習してみると自分がどれだけ「助言癖」があるか気付きます。他のお子様やパートナーとの話をどれだけ遮らず聴くことができるか密かにトライして練習してみるのもいいですよね。

私も主人との話でトライしてみた時、自分では話を聴くのが得意だと思っていたのですが、途中途中結構口を挟むし、口を挟むのを我慢しても顔に出たり、その後すぐ反論したりで^^;その時はホント・・傾聴のド素人だと思い知りました。

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ダメなことはダメというの意味

私が下記記事の中で「ダメなことはダメという」と書いたことに不登校関連のアドバイスによっては「小言は一切言わずに見守る」と言われているケースもあり、どうしたらいいのか迷います。とご質問が届きました。

私がここで書いた「正しく注意する」とは「ダメなことはダメ」だと伝えることです。感情や一般論ではなく、必要だと思うことは親として教えていくことも大事だという意味です。

傾聴することは否定しないと述べているのに、でもダメなことはダメと伝える。これでますます混乱されるかもしれないのであえてここで書かせていただきますね^^

子どもが思うこと(感情)と、実際にそうすること(行動)は違うということです。例えば話の中で子どもが言う「学校なんてなくなればいいのに」という言葉はダメと伝える言葉でしょうか?この場合「そっかぁ。学校なんてなくなればいいのにって思っているのね」が傾聴です。

実際に学校をなくすために破壊行為や危険な行為をしたときが「ダメ」と伝えるときです。そんなときでも、そんな気持ち(感情)になったことは否定せず、それでも危険な行為(行動)をダメだと伝えていきます。

そしてダメなことはダメに関しては、各ご家庭の背景や状況、子どもの性質、ルールの基準も違います。この場合はこうです。その場合はこうです。と全てに当てはまる方法がないもの。でもそれが子育てだと知ることが大事だと私は思っています。そしてご家庭のルールや基準がある場合、ご自身がどうしてそのことに拘っているのかどうしてそこが気になるのか、どうしてそれが許せないのか・・見つめ直すことをおすすめしています。

私の場合は、それは私自身がそう育てられていたからだったり、自分がその事を我慢していたからだったりしました。お読みになっている方ご自身が、この記事は間違っている。自分には合わない。そう思うことももちろん大事なことだと思います。その時はどちらが正しいの?と思わずに、私はこう思う。あなたはこう思う。と肯定も否定もなく分離できることも傾聴の練習になります。

そして子どもとの関係がうまくいかないときはご自身の親とのことを見つめ直すと心のこだわりのヒントがあるかもしれません。

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最後に

  • 傾聴がどうして大切か
  • 否定せずに話すことで得られること
  • アドバイスは子どもの自己成長のチャンスを奪うことになる
  • 今話ができないならば傾聴のイメトレをやってみよう
  • ダメなものはダメとは、感情を否定することではない
  • 全てに当てはまるルールがないのが子育て

についてまとめました。ご質問をいただいたように、悩み事があったら検索し、その画面には様々なアドバイスが記されています。全てが正しいわけでもなく全てが間違っているものでもなく。何が一番大事かと言うと、できる、できない。やりたい、やりたくない。とご自身の心が響くものから選択をしていくこと。その選択でまた私達親も自己成長をしていきます。

子どもの不登校は親にとって、とてもつらいもの。でもね・・・お母さんだって、トライしてみてうまくいかない日もある。失敗してもいいじゃない。間違ってもいいじゃない。だって一生懸命向き合っているんだもん。

苦しいのは逃げていない証拠だから。そして今日のこの苦しさや悲しさは決して無駄じゃないから。親だって分からなくていいし、泣いていいし、悩んでいいんだよ。「じゃあどうすればいいの」の、その前に、悩むこと、苦しむこと、泣くこと、緩めることを自分に許してみてくだいね。

大丈夫大丈夫。未来はくるくるみんなにくるくるyukiでした。

※「未来地図」のオンライン親の会「miraicafe」をご利用になってみませんか?未来地図スタッフがお迎えします。聴いてもらう安心感をご自身が味わうことで傾聴の本当の意味がわかるかもしれません。一人で抱えないでね。

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