私たちは「親」を嫌うことを許されずに育てられました。ずっと嫌だったことだって「感謝」しなければいけませんでした。口ごたえしようものなら「親不孝者」「親にむかって」と言われました。それは親以外の人に話しても同じでした。親は絶対の存在でした。
①世代間連鎖の割合
気付いたら、自分がやっていることは親と同じってことありませんか?形は違うけれど結果同じことをしているような。自分はそんな意識はないものの虐待の世代間連鎖は30〜50%だと言われています。
一生懸命な子育てが虐待とは私は決して思っていませんが、親に反抗してはいけない。親を憎んではいけない。この思考は、私達の親が「戦争の呪縛」の中で育ってきたからと言われています。実際その世代ではなくても、戦争の被害に苦しんだそのまた親達。彼らの環境では望むことができなかった「自由」の存在で、以降の子育てに「若者の自由」や「服従」が自由を訴えながらも自由になりきれなかった呪縛が残っています。
②連鎖しない人の特徴
私達子どもの不登校を経験した親の特徴として、私がそうだったのですが「0か100」で物事を考えがちです。世代間連鎖をすると「連鎖していない人もいるじゃない」とすぐ過ったり。
実際その通りで、連鎖していない人ももちろんいます。連鎖している人が多くて50%の割合といわれていることは、連鎖していない人の数が50%いるということです。
それは「これは嫌だ」とはっきり心が言っている人です。(行動と頭の中は別です^^)
逆に、たとえ自分の意志ではないことでも、これは私のために親がやってくれているんだ。ありがたいと思わなきゃ。親だから我慢しなきゃとか、親に逆らうなんて恩知らずだと思って、グッと蓋をしている人は連鎖につながるように見えます。
③連鎖につながる3つのパターン
★過保護・過干渉なども含む「毒親」
※毒親(toxic parents)とは、「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」
★親や家族がさまざまな問題を抱えていることが原因で、子どもが安心して生活することができない家庭の「機能不全家族」
★エリック・バーンが提唱した心理学理論。幼少期に親に言われた言葉や親にされた行動に基づき形成され、幼い頃から自分で脚本を書きその通りになるとされています。人生脚本の大部分は親からのメッセージにより決定され、無意識のうちに生き方を決め、それに従い行動する「人生脚本」
この3つのパターンのように「世代間連鎖」とは生き方や、教育方針、子育ての仕方などが、親→子→孫へと連鎖していく中で、その年代ごとに「時代背景」や「社会状況」「家庭環境」の影響を受け、世代の違いによって「価値観の相違」が生じていきます。
反対に言えば、「世代間連鎖」によって親から子どもへと受け継がれていく生き方、子育て方法、教育方針などは、「社会状況」や「家庭環境」の影響を受けやすく、そのぶん、親と子の間で「世代の違いによる『価値観の相違』」が生じやすいとも言えます。
これは、自分が育ってきた環境、自分が正義としてきたことが、今の時代に合っていないのに、子どもや孫はひと昔前の古い価値観を正義として押し付けてしまい、ズレた価値観のなか苦しむ子どもたち(孫たち)がでてきます。
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④許す前に憎むこと
自分と親、自分と子どもそのどちらの世代とも「正しいとされていること」の価値観は違います。「昔はこうだった=そんなことじゃ将来困るよ」の真ん中にいる私たち。自分の子育てや生き方を見つめ直した時に「親がにくい」とたどり着くときがあります。そんな時に「親を憎むなんて罰当たり」や「それがあなたの親の愛の形」みたいな説教や無理なプラス言葉を言われても逆効果です。
にくいと思ったときは思い切り憎いと思ってもらっていいんです。そのことが「だから私はそうならない」という気持ちに結びついていきます。
世代間の価値観のズレ。親だから。罰当たり。その鎖を断ち切り、世代間連鎖を止めるには親を憎むなんて皮肉ですけどね。
でも、親のことを憎んでいくと、そこから初めてでもやってくれたことや感謝の気持ちが自然とわいてきます。強制ではなく、自分の内側から親側の気持ちもわかってきます。そこが「許し」の入り口です。
どうして許せないのだろう。